ごあいさつ

将来を展望して

紀の国医療生活協同組合は1985年の創立以来23年目に入っており、2015年には30周年を迎えることになります。

生協の前身である田中医師個人立の「紀の国新堀診療所」開設(1982年)から3年後に生協が創立され、今日に至るまでの間には、いくつかの大きな節目がありました。重要な節目をあげれば、まず第一は、89年の「今福診療所」の開設であり、第二は、96年の生協グループとしての「オレンジコープ」の形成、第三は、2000年の介護保険制度の施行と介護事業への全面参入、「介護付住宅しんぼり」の開設、そして最後に、2005年の「ほっと生活館しんぼり」の開設です。

この間に生協の総事業高も、当初の年間5000万円台から、今福診療所の開設をステップにした医療事業の展開により2億円台を達成し、更に介護事業への全面参入を契機に4億円台に至り、今や5億円台の達成も間近となっています。

もちろんこの間に、様々な問題や紆余曲折がありました。しかしそれらを何とか乗り越え、ここまで発展と成長を遂げることが出来たのは、高齢社会の進行に伴うニーズの増加や諸制度の変化が背景にあるとともに、それに対する生協としての理念を堅持した対応、そのための役職員全体の努力、そして「組合債」に端的に示される組合員の生協に対する信頼と期待、大きな支援があったからこそだと言えるのではないでしょうか。

そして今、時代は更に大きく変わろうとしています。「少子高齢社会」の急速な進行と
本格的到来、それに並行する一人暮らし高齢者の今後の更なる急増、経済的・社会的背景に基づく世代間や都市と地方間の格差、労働態様の多様化と流動化に伴う被雇用者の生活
格差など、様々な面での格差の拡大が顕在化しています。このような中で、紀の国医療生活協同組合としては、あくまでも「国民皆保険制度」を前提としつつ、その上で、持続可能かつ充実した「社会保障(医療・介護・年金)制度」の確立が必要であるという立場に立ち、そのための様々な制度設計や改革に対して、生協としての評価と立場を明らかにしつつ、自らの理念を堅持してその実現を目指していきます。

以上のように、客観的条件の大きな変化を見通した対応が求められているとともに、また主体的条件としても、事業、組織規模ともにこれまでの延長線上では今後成り立ち得ないところまできていることを踏まえ、今後の新しい展開と次世代生協の構築を展望しつつ、組合員、地域住民の利益を守り、広く社会的要請に応えるべく努力を重ねていくものです。

紀の国医療生活協同組合・理事会一同

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