ごあいさつ
当法人は「尊厳の保持と自立支援」というふたつの目的が達成される社会を目指して設立されました。今まで当法人が実践、提言してきたことは、「どのような状態の利用者でも必ず意向を聴いていく」、「家族を含めた利用者を取り巻く環境調整の支援」のふたつ。組織の生産性とこのふたつの目的は過去はなかなか相いれないものでした。この想いを示す方法が、NPO法人として運営を開始するということでした。
しかし、実際に起こったことは、社会にこの考えは「簡単には根付かないこと、理解されることも難しい。」ということでした。これは、報酬や手間などが壁になり、なかなか達成できません。ところが近年、医療保険制度改正により、進みだしました。病院では、地域密着型認知症疾患医療センターの設置、人権への配慮と地域密着により、寄り添う考えが導入。それにより認知症の利用者にも意 向を確認する意識が芽生えてまいりました。また、主任ケアマネジャー更新研修には「家族支援」という科目が入りました。このことは、当事業所の念願でありました。
こうした社会的な動きを今後も継続していくことが社会保険、社会福祉の領域では必要であると考えます。そして、この考えは権利擁護の取り組みとして、成年後見の領域、子ども・子育てに関する領域、ヤングケアラー、ひきこもりや地域福祉、自殺予防の領域など、多様に活用できるという可能性を持っています。
社会に広がる権利擁護の流れ、それがこれからも当法人の目指すところです。今後もみなさまのご指導、ご鞭撻をいただけますと幸いに存じます。よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 地域福祉推進事業団