人事制度構築

介護事業者に合った人事評価制度

介護事業においても、成果・能力・情意の3つの評価要素によって行われことは基本的に変わりません。しかし「能力」に関しては、介護職員は資格取得や研修受講などで基本的な一定水準以上の必要な知識・技術を確保していることから、その評価としては習熟度ないし向上度で評価することが望まれます。

ですが、介護職員としての資質や能力は、知識や技術的なことよりも対人サービスとしての特性を最も考慮する必要があります。利用者との間に良好な人間関係を築き、その中で介護サービスを実践していくという視点から、コミュニケーション力や気配りといった相手の身になって感じ、考え、サービスを提供できる能力が特に大切です。

こうした介護サービスを実践していくためには、次の様な能力が求められます。

  • 観察力 … ご家族や利用者の生活の変化に敏感に反応できること
  • 予測性 … 生活の中に潜むリスクを想定して的確に対応できること
  • 洞察力 … 隠された主張や想いを感じ取ること
  • 責任感 … 利用者の人命や生活を預っている自覚を持つこと
  • 倫理性 … プライバシーや守秘義務といったモラルを守ること
  

介護事業にはこういった要素を加味して考えていくことが重要です。また「成果」についても、量的に目標をこなしているだけでなく、質的な評価も必要不可欠です。利用者やご家族との信頼関係が構築され、その中で相手の満足度をいかに高めていくかという視点で人事評価制度を作りましょう。

人事評価制度の目的

職員のやる気とモチベーションの向上を図る

【 人事評価制度 】 明確な評価基準 ⇒ 適切な評価実施 ⇒ 評価結果の告知 ⇒ 処遇面への反映

  • 法人の目指す方向性、期待する人物像を職員に理解させる             
  • 評価結果を職員に告知し、自己改善意欲を促す

人事評価制度は、職員のやる気を引き出して、モチベーションの向上を図ることを目的とします。人は誰しも高い評価を受けると嬉しいですし、やる気も出ます。そして、上司から「君のこうゆう点を評価している。」と具体的に言われると、納得感もありますし、具体的に評価を受けた点について自信も湧いてきます。

この具体的に評価をしてあげることが人事評価制度では重要です。逆に低い評価を受けたときも、「ただ低かった」という結果だけでなく、具体的にどんなことが低い評価になったのか、それを伝えないと低い評価を受けた職員は、「なんで俺の評価は低いんだ」と不満を持ってしまいます。

具体的にどんなことが、どんな行動が低い評価に繋がったのか、それを理解させないと納得もしないし、まして今後自分は何をどう直せば良いのか、どうすれば高い評価をもらえるのか、分かりません。

高い評価でも、低い評価でも具体的にどういうことで、どんな行動が自分の評価結果になったのか、具体的に伝えることが、職員のやる気とモチベーションの向上に繋がります。

人事評価制度の効果

人事評価の評価基準を具体的かつ明確にすることで、以下のことが実現されます。

  • 「職員に求める期待像」を人事評価の評価基準として、伝えることが出来る。
  • 職員は、自分が何によって会社から評価されるのか、具体的に知ることが出来る。
  • 管理者(評価者)は、具体的な評価基準を使って部下を評価することが出来る。

人事評価の評価結果を職員に告知することで、以下のことが実現されます。

  • 職員は、具体的にどの様な点が高く評価され、どの様な点で低い評価になったのか知ることが出来る。
  • 職員は、今後努力すべき点(低い評価なにった点)について目標設定しやすくなる。
  • 管理者(評価者)が部下に評価結果を告知することで、部下の動機付けを図れる。
  • 管理者(評価者)の管理能力、コミュニケーション能力、指導能力が向上される。

人事評価の評価結果を賃金・賞与に反映させることで、以下のことが実現されます。

  • 年功序列型の賃金・賞与体制から人事評価主体の賃金・賞与体制へ移行することで、人件費の上昇、労働分配率の上昇を抑制することが出来る。
  • 賃金・賞与にメリハリを付けることで、職員の危機感と自己改善意欲を促すことができる。

人事評価制度の導入メリット

昇給、昇進(昇格)ときちんとリンクしている評価制度
評価結果を賃金制度、昇進・昇格制度とリンクさせ処遇に反映させることによって、職員にとって魅力ある人事制度、魅力ある会社となり、特に賃金水準の低い若年層への動機づけを図ることができる。
明確にされた評価項目と評価基準
職員に求める期待像が明確にされ、それが評価の基準となり、しかも項目や基準が職員にオープンにされているため、公平感、納得性を持たせることができる。
部門業務の明確化と職業毎の評価
部門業務の調査・分析を行い、本来その職種に求められる業務を特定し、職業毎の評価シートを作成することによって、職務分担及びその権限と責任を明確にできる。更に、職業毎に必要な知識・スキルを特定できるので、職種に応じた教育を計画的に実施できる。
フィードバックシステム
本人に評価結果をフィードバックすることによって、どの様な点が高く評価されたのか、どの様な点が至らなかったのかが明確になり、今後どのような点について努力すべきかという目標設定がしやすくなる。また、上司からのフィードバックにより部下に対する継続的な動機づけを図りながら、相互のコミュニケーションが強化される。
経営方針(理念)の実現に向けた職員の方向付けと育成
人事評価制度の策定にあたり、経営方針・戦略を反映させた「社会の期待像」を明確にし、いかにその期待に応えたかによって評価するため、評価シートそのものが職員にとって最も身近な経営方針書となる。また、OJTの効果も期待できる。
人件費総額管理
賃金制度とリンクさせることによって、厳密な人件費総額管理が行えるようになる。
適材適所
管理職への昇進・昇格制度とリンクさせるため、能力・実力のある人材が管理者になり、組織の活性化、管理体制の強化が可能になる。また、評価結果の蓄積により、各職員の職務適性を把握することが可能になり、将来に向けた多能職化の基盤が整備される。
経営陣・管理者の認識の共有化
策定作業に管理者を参画させることにより、経営陣の危機感や理想を共有化することによって、経営陣の意志(思い)を管理者にまで浸透が図られる。
管理能力の向上
評価者訓練を行うことによって、評価時に陥りやすい過ちを是正することができ、評価制度を通して部下を管理・指導するという管理能力の向上が図られる。また、上司と部下が目標達成レベルを設定し、その進捗状況を管理することにより、部下の動機づけや指導・レビューといった管理スキルを修得することができる。
文章により明確化された評価基準
評価基準を明確に文章で表現することによって、各達成レベルのゴールが明確になり、より高い評価を得るためには何をすればよいのかを明確に示すことができる。
評価対象の点数化による優先度の明確化
評価対象を点数配分することによって、結果・過程・可能性のどこを重要視しているのか、求められる業績の優先順位や求められる知識の優先順位を明確にできる。
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